秋という季節が好きである。春よりも秋のほうが好きだ。
今日、高校時代の先輩や友人と久しぶりに集まって食事をした。何ヶ月かに一度こういう会をやってお互い馬鹿な話に花を咲かせるのである。端から見てかなり奇特な集団であろう。今回はしゃぶしゃぶ食べ放題だったので、ここぞとばかりに肉を食う。貧乏人代表選手になった気で食べた。追加の肉が来るのが遅くて一同は飢えた狼のような目でテーブルに陣取り、店員を襲う様子をみせていた。
そんなこんなで楽しい一時も終わり、ゲーセンではしゃぎつつ解散したのだが、周期的に次は12月に集まる感じだったので「次は冬だね」という言葉で締めた。この言葉を言った瞬間、僕はこの上なく嬉しくなったのである。理由はよくわからない。ただただ、次は冬だという意識が頭の中に存在することが嬉しかったのである。そして、どうも今日気が付いたことであるが僕は、秋が好きなのはこの「次は冬だね」と言えるかららしいのである。自分のことながら甚だ不思議だが、間違いはあるまい。どうやら僕はこの一点において、猛烈に秋が好きなのであった。