吹き来る風にこたえはなし

祖母の墓参りに行って来た。
2週間ほど前、夢の中で僕は小学生の頃に住んでいた杉並にあった家にいた。
覚醒夢じみていて、懐かしいなと感慨に耽ったのだが、玄関にある二階に続く大階段の上が暗闇になっていることに気づいた。そして、その2階から祖母が降りてくるのがわかった。だが、その祖母の雰囲気が少しおかしい。どうにも僕にはその時、祖母が何か違うものになっていることがわかった。そんな中途半端なところで夢から覚めた。それから今日まで、どうにも胸騒ぎがするので、やっと今日墓参りに行って来た次第である。
大学卒業と就職の報告をしたくらいなのだが、幾分か気は晴れた。
墓石を掃除する途中、大きなゲジゲジに似た虫が現われた。すぐに何処かへと行ってしまったが、そういえば祖母はあの類の虫が大の苦手だったと思い出した。
まさかとは思うが、あのゲジゲジを何とかしてほしくて夢に出てきたのではないかなどと考えた。
風は寒い中にも生ぬるく感じられる。春はもうすぐそこだ。では、また。